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シェイクスピア『マクベス』綺麗は汚い、汚いは綺麗【要約・感想】

マクベス【要約・感想】アイキャッチ画像
しつもん君
シェイクスピアの『マクベス』ってどんなお話?読んでみたいんだけど、シェイクスピアの劇作って昔の話だしなんか難しそう…。実際の本を読む前に、どんな内容かを知りたいな。

 

上記のような質問にお答えします。

 

 

こんにちは。りはぶん@rehabungaku)です。読書×NFTブロガー。ふだんは介護施設ではたらく読書好き(オーディオブックも愛用しながら年間100冊)のリハビリ職員。ブロックチェーン技術などweb3の世界に可能性を感じて最近はNFTにハマり中。妄想ですが、文学の創造性はweb3に通じているように思います。
sonoko

 

 

 本記事の内容

  • 『マクベス』読む前に
  • 『マクベス』あらすじ
  • 『マクベス』感想
  • 『マクベス』まとめ

 

『マクベス』の邦訳はいくつかあります。個人的には下記の3人がおすすめ
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・小田島雄志訳(1983)

・松岡和子訳(1996)

・河合祥一郎訳(2012)

 

 

『マクベス』をザックリ言うと…

「綺麗は汚い、汚いは綺麗」という悪魔の囁き。この囁きは、人間の欲望を示しているのかも。マクベス将軍は、欲望に任せて殺害に走ります。罪悪感、疑心暗鬼、錯乱。殺人を犯した人間の精神世界が、シェイクスピアの秀逸な描写で、悲劇的に描かれています。

 

という感じです。

 

マクベスは、魔女のささやきに心をうばわれ、予言に欲望を重ねるように、暗殺や裏切りに手を染めていきます。

 

後戻りのできなくなった人間に待ちかまえている世界とは…。

 

とはいえ…

 

質問者のように、シェイクスピアのような古典作品に対して「難しさ」を感じている人も多いです。

 

そんなとき、まずは作品の前提や全体像をおさえましょう。
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というわけで、内容をサクッと知りたい方は、本記事の「読む前に」と「あらすじ」だけを読めばオッケーです。

 

あるいは、オーディオブックや映像で作品の全体象をイメージするのは超おすすめです。

 

 

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・原作に即しているのでストーリーがつかみやすい。
・映画を2時間観るだけで物語の全体像が分かる。

 

 

作品の背景や前提をチェック出来たら、ぜひ原書を読んで下さい。

 

それでは、行ってみましょう。

 

 

内容をサクッと知りたい方は「読む前に」と「あらすじ」だけを読めばオッケーです。作品の前提知識がチェック出来たら、ぜひ原書を読んで下さい。

 

 

それでは、行ってみましょう。

 

『マクベス』読む前に

 

 

ちょっと難しく感じる作品(特に外国の古典作品)を読む場合、原書を直接読む前に、ある程度の予備知識を持っておくことが重要です。

 

優れた文学作品とはいえ、国や時代が異なれば物語の内容をすぐにイメージ出来ない場合があります。その理由は、読者の頭の中に作品の時代背景や常識などの前提知識が不足しているからです。

 

この記事では、作品の基本情報、著者の略歴、時代背景などを簡潔にお伝えします。

 

ちなみに、書籍という文章コンテンツが読みにくい場合、オーディオブックや映画など、その他の関連コンテンツに触れることもおすすめです

 

基本情報

 

作品名 『マクベス』
著者 ウィリアム・シェイクスピア(1564–1616)享年52歳。
出版国 イングランド
出版年 1605〜1606年(推定執筆年)
執筆時の年齢 41歳頃
分量 約170ページ
ジャンル 悲劇作品
電子書籍 ▶︎ Kindle本
関連の音声コンテンツ ▶︎『1000分くらいでわかるシェイクスピアBest20』
関連の映像コンテンツ ▶︎ 映画『マクベス』
同世代の作家/代表作 ミゲル・デ・セルバンテス(1547−1616:出版時43歳)/『ドンキホーテ』(1605)

 

 

時代背景

 

『マクベス』が発刊されたのは、1605年ころ。

 

当時のイングランドは、宗教改革後のデューダー王朝の末期。国家のトップはエリザベス女王です。ちょうどこの頃、エリザベス女王は退位しています。

 

この頃、イングランド王国はスペイン王国との戦争に勝利して経済的な成功を果たします。スペインの国王フェリペ2世がひきいる「無敵艦隊」をアルマダの海戦で破りました。

 

さらに、東インド会社を設立して、羊毛産業でお金持ちになりました。戯曲などの「エンタメ」が成立するためには、経済的なゆとりという「余剰」が必要なのでしょう。

 

シェイクスピアの作品は、経済的に成熟した国家に求められていたことがうかがえます。

 

このような「余剰」を埋めるひとつの手段として『マクベス』は読まれました。

 

著者の略歴

 

シェイクスピア_画像

画像引用:Wikipedia

 

著者のシェイクスピア(1564–1616)は、イングランド出身の劇作家。

 

大部分の作品(戯曲や詩)を1589年から1613年(25歳〜49歳)に執筆しました。

 

『マクベス』は、シェイクスピアが41歳ころに書いた悲劇作品。時系列的には、四大悲劇の最終作品です。

 

卓越した人間観察や心理描写により「万の心を持つ」と形容されています。生涯で戯曲40作を執筆し、次世代の文学者に圧倒的な影響を残しています。

 

喜劇『じゃじゃ馬ならし』『夏の夜の夢』、悲劇『リア王』『ハムレット』、歴史劇『ヘンリー八世』など。

 

原書を読む前に、前提条件をインストールしましょう。また映画などの関連コンテンツで作品の雰囲気や世界観をイメージするのがオススメです。さらに、同時代の作家の作品をあわせて読むことで、雰囲気を深堀りできます。
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『マクベス』あらすじ

 

 

作品を楽しむために必要なあらすじは、

 

  • 商品レビュー
  • 舞台設定(時代・場所)
  • 登場人物(関係性)

 

の3つくらいです。

 

その他、作品独自のルールやテーマなどがあればおさえておきます。

 

むしろ、あらすじを読みすぎると「読まなくても分かった気になる」という危険性もあるので注意しましょう。

 

商品レビュー

 

スコットランドの武将マクベスは、荒野で出会った三人の魔女の奇怪な予言と、激しい夫人につき動かされ、かねてからの野心を実行に移していく。王ダンカンを自分の城で暗殺し、王位を奪ったが、その地位を失うことへの不安から次々と罪を重ねていく…。

引用:Amazon(商品説明)

 

商品レビューは、コスパの高い文章です。本を売るために書かれた文章だから、ムダが少ないです。

 

読者の興味を引くように端的にまとめられています。

 

商品レビューは、あらすじの「超概要」をつかむのに有効です。

 

舞台設定(時代・場所)

 

・時代:11世紀頃

・場所:スコットランド王国

 

 

ちょっとしたことですが、作品のロケーションを地図上でイメージしておくと便利です。

 

『マクベス』の場合は、スコットランドなので地理的には、イギリスの北部。

 

「北海」をへだてると、ノルウェーはすぐそこです。

 

読書中に知らない地名(実在・架空ともに)が出てくることは、多々あります。

 

とくに、海外の作品は、なじみの少ない固有名詞がバンバン出てきます。

 

また、地理的に同じでも、時代が変わると国名も変わりますしね。

 

そんな時、物語の舞台設定を地図でイメージしておけば(メモをしておけば)、情報の迷子になりません。

 

登場人物(関係性)

 

 

簡略化しましたが、これがチェックすべき主要メンバーです。

 

ここでは、登場人物の属性を、大きく4つに分けます

 

①マクベス夫妻
②ダンカン国王の親子
③バンクォー
④マクダフ

 

 ①マクベス夫妻

・マクベス将軍:スコットランド王国の将軍(グラームス領土の領主)。もともとは野心低め。

・マクベス夫人:気丈な性格

 

マクベス夫人は、夫のマクベスに対して国王を殺害し、王位の座につくよう促します。

 

魔女の予言と夫人の言葉にマクベスは野心をかきたてられます。

 

 ②ダンカン国王の親子

・ダンカン国王:スコットランド王国の国王

・ドナルベーン王子:ダンカン国王の長男、次期国王

・マルカム王子:ダンカン国王の次男

 

魔女の予言と夫人の言葉を受けて、その気になった マクベスはダンカン王を殺害します。

 

あまりにも不可解な死であったため、2人の息子は身の危険を感じて国外へ逃亡します。

 

逃げた結果、マクベススコットランド王国の王位につきます。

 

 ③バンクォー将軍とその息子

バンクォー将軍:スコットランド王国の将軍(ファイフ領土の領主)。地位的にはマクベス将軍と同等。

フリーアンス:バンクォー将軍の息子

 

魔女の予言で、バンクォーの子孫(フリーアンス)がスコットランドの国王になると知り、マクベスは焦ります。

 

そこで、マクベスはバンクォーの暗殺計画を立て、実行。

 

バンクォーの殺害は成功するも、息子は取り逃します。

 

 ④マクダフ

・マクダフ:バンクォー将軍に仕える貴族(グラームス領土の領主)

 

マクダフは、 狂乱状態のマクベスに妻子を殺されます。

 

マクダフは、ダンカン国王の息子マルカムと組み、マクベスを討伐に動きます。

 

それにしても、めちゃめちゃ人を殺しすぎ…、魔女の予言を鵜呑みにしすぎ…。

 

登場人物はこんな感じです。

 

ところで、知らない固有名詞が増えると、頭がパンクしませんか。外国の人名は、なおのこと。

 

パンクしないためにも、この登場人物の相関図をメモ変わりに、途中、チラ見しながら読書することをおすすめします。

 

また、オーディオブックで作品を楽しむ場合にも、この登場人物の相関図は重宝します。オーディオブックは「返り読み」には不向きであるため、前提条件や設定を振り返るときに役立ちますよ。

 

『マクベス』感想

 

 

ここからは、引用を絡めた個人的な感想です。

 

マクベス:失せろ!姿を見せるな!大地にもどれ!
きさまの骨に髄はあるまい、きさまの血は冷たいはずだ、
おれを見すえるきさまの目は、ものの形も見えぬだろう。

マクベス夫人:どうか、皆様、お静かに、これはよくあること、ご心配にはおよびません。
ただせっかくの興をさませて申しわけありません

第三幕 第四場 マクベスが王位に即位するシーン
引用:『マクベス』小田島雄志=訳(白水社)p97

 

マクベス将軍、狂い始める。

 

ダンカン王を殺害し、マクベスが王位に即位する場面で、狂乱状態を家臣にさらしたシーン。

 

スコットランド王国のダンカン王殺害を機にマクベスの性格は一変します。

 

その後は、マクベスは自身の地位を危ぶみ、暗殺者にバンクォオー将軍の殺害を依頼します。

 

ダンカン王、バンクォオー将軍を殺害後、マクベスは殺害後に亡霊を目にするようになり、マクベスの精神は狂乱し始めます。

 

マクベス夫人:消えておしまい、忌まわしいしみ!消えろと言うのに!一つ、二つ、さあ、いよいよやるべき時刻ーーーなんて地獄は暗いんだろう!ーーーなんです、あなた、たんですか!

<中略>

医師:聞いたか、あれを?

マクベス夫人:ファイフの領主(マクダフ)には妻があった、いまはどこ?ーーーああ、この手は二度ときれいにならないのかしら?ーーーもうたくさんです、あなた、たくさんです、そんなにびくびくなさっては、なにもかもだいなしです。

医師:やれやれ、あなたは知ってはならぬことを知ったようだな。

第五幕 第一場 ダンシネーン(というスコットランドの地域)の城の一室にて
引用:『マクベス』小田島雄志=訳(白水社)p148

 

マクベス夫人も、狂い始める

 

マクベスがマクダフの妻子を殺害したあとのマクベス夫人の状態。

 

マクベスは狂乱の絶頂に至ります。

 

マクベスとは逆に、マクベス夫人は自責の念から精神が錯乱し、夢遊病者になります。

 

他人を殺せるメンタリティは、自分をも殺すことができるのかも。

 

『マクベス』まとめ

 

 

最後に、本記事の内容、

 

  • 『マクベス』読む前に
  • 『マクベス』あらすじ
  • 『マクベス』感想

 

3つをサクッと振り返ります。

 

まとめ①_読む前に

 

原書を直接読む前に、ある程度の予備知識を持っておくことが重要です。優れた文学作品とはいえ、国や時代が異なれば物語の内容をすぐにイメージ出来ない場合があります。

 

その理由は、読者の頭の中に作品の時代背景や常識などの前提知識が不足しているからです。

 

書籍という文章コンテンツが読みにくい場合、オーディオブックや映画など、その他の関連コンテンツに触れることもおすすめです

 

・基本情報

作品名 『マクベス』
著者 ウィリアム・シェイクスピア(1564–1616)享年52歳。
出版国 イングランド
出版年 1605〜1606年(推定執筆年)
執筆時の年齢 41歳頃
分量 約170ページ
ジャンル 悲劇作品
電子書籍 ▶︎ Kindle本
関連の音声コンテンツ ▶︎『1000分くらいでわかるシェイクスピアBest20』
関連の映像コンテンツ ▶︎ 映画『マクベス』
同世代の作家/代表作 ミゲル・デ・セルバンテス(1547−1616:出版時43歳)/『ドンキホーテ』(1605)

 

 

まとめ②_あらすじ

 

・商品レビュー

スコットランドの武将マクベスは、荒野で出会った三人の魔女の奇怪な予言と、激しい夫人につき動かされ、かねてからの野心を実行に移していく。王ダンカンを自分の城で暗殺し、王位を奪ったが、その地位を失うことへの不安から次々と罪を重ねていく…。

引用:Amazon(商品説明)

 

・舞台設定(時代・場所)

時代:11世紀頃

場所:スコットランド王国

 

・登場人物(相関関係:図参照

①マクベス夫妻

・マクベス将軍:野心低め
・マクベス夫人:気丈な性格

②ダンカン国王の親子

・ダンカン国王:スコットランド王国の国王
・ドナルベーン王子:ダンカン国王の長男、次期国王
・マルカム王子:ダンカン国王の次男

③バンクォー将軍とその息子

バンクォー将軍:スコットランド王国の将軍
フリーアンス:バンクォー将軍の息子

④マクダフ

・マクダフ:バンクォー将軍に仕える貴族

 

まとめ③_感想

 

マクベス:失せろ!姿を見せるな!大地にもどれ!
きさまの骨に髄はあるまい、きさまの血は冷たいはずだ、
おれを見すえるきさまの目は、ものの形も見えぬだろう。

第三幕 第四場 マクベスが王位に即位するシーン
引用:『マクベス』小田島雄志=訳(白水社)p97

 

マクベス夫人:消えておしまい、忌まわしいしみ!消えろと言うのに!一つ、二つ、さあ、いよいよやるべき時刻ーーーなんて地獄は暗いんだろう!ーーーなんです、あなた、たんですか!

第五幕 第一場 ダンシネーン(というスコットランドの地域)の城の一室にて
引用:『マクベス』小田島雄志=訳(白水社)p148

 

『マクベス』を読んで思うこと

 

人を殺しても精神的に満たされることはない、と。

 

マクベス夫妻の悲劇は、殺人による罪悪感が原因だと思います。「亡霊」の存在は科学的には否定されるでしょう。「魔女」の声もしかり。

 

しかし、「亡霊」は罪悪感からの産物、「魔女」の存在は欲望の産物。いづれも当事者的にはリアルな存在です。

 

感想は人それぞれです。

 

ただ、ひとつの読み方として、物語の前提知識や基本情報をおさえ、読書することをおすすめします。

 

本記事は、作品を読む際のコンパスのようなものです。

 

方向性が決まれば、それぞれの目的で『マクベス』を楽しんで下さい。

 

 

・小田島雄志訳(1983)

・松岡和子訳(1996)

・河合祥一郎訳(2012)

 

最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。
sonoko

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